【読書感想】FACTFULNESS-1【正しさが生むもの】

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あまりにも世の中のことを知らない自分が怖い

テレビ見ないし新聞も読まない、学校の授業もそんなに真面目に受けてこなかったぼくは、さすがに子供を持つ年齢になって「このままじゃまずかろうよ」と思って、多少お勉強をするようになりました。

ただその時に気をつけたいのは「冷静に正しさを見極める」こと。

情報過多の時代、SNSの時代だからこそ、あまりヒステリックに表面的な文字面に踊らされるようであれば、何も知らない方が良いのではと思う。

ということで、手に取ったのが『FACTFULNESS』。

今、地球は、人類はどうなっているのか?を選択問題で出すと、たいていの人が間違った選択肢を選んでしまう。その確率はチンパンジーの正答率(ようは1/選択の数。偶然の確率)よりも低い。なぜ、ここまで人間は「正しく把握すること」ができないのか?を学んでいきます。

といっても、現時点で5章までしか読んでませんが、長いので二回に分けて読書感想してみます。

人類は人類のことをあまりわかってない。チンパンジーよりも。

正しく世の中を読み解けない理由として、著者は「10の人間の本能」をあげています。この本は、この10の本能ごとに10章に分かれていて、分厚い本ですが読みやすく、あまり立ち止まることなく読み進められました。

10の本能とは

  1. 分断本能
  2. ネガティブ本能
  3. 直線本能
  4. 恐怖本能
  5. 過大視本能
  6. パターン化本能
  7. 宿命本能
  8. 単純化本能
  9. 犯人探し本能
  10. 焦り本能

まだ5の過大視本能までしか読んでませんが「本能」と付いている通り、原始の世界、動物だった人間にとってはどれも大切な能力だったと思います。1万年くらいずーっと続いてきた生き方と、今のテクノロジー社会があまりにも急激にかけ離れてしまったために、ズレが生じていて、本能的であることが、現代社会に於いてあまり良くない、正しくない解釈へと人間を導いているようです。

6以降の本能がどんなものかまだわかりませんが、1-5は平たくいうと

  • 人間はより悪く解釈する
  • 人間はより極端に解釈する

ということじゃないかなと思います。1、3、5はざっくり「極端に解釈する」で、2、4は「悪く解釈する」という感じ。

細かくはまちがっているのかもしれないけど、ぼくの脳のメモリーだとこれくらい単純に覚えないとわからなくなってくる。。。

じゃあなぜ5つに分かれているのかというと、それぞれの本能によって、「本能のままにせず、より正しく解釈するための対処法」が違うから。

80:20の法則とか、「様々な形のグラフがあることを知っておけ」とか。

これらは興味あれば本書を読んでいただければと思うのですが、ひとつ、とても心に残っている一文があります。それは

「悪い」と「良くなっている」は両立する

という言葉です。

今も、戦争で亡くなる方や飢餓で亡くなる方はいる。苦しんでいる人もいる。「悪い」は確かに存在している。

しかし、人類史上もっとも戦争がなく、飢餓で亡くなる方が少なくなってきている。「良くなっている(良くなってきている)」も確かな現象である。

なぜこの言葉が心に残るかというと、「なにかを正しく判断することで、よりよい世界をつくろうとするイノベーター」が発言するとき、必ずと言っていいほど「一番不幸な人々を例にして、そのイノベーターを人手なしと叩く人がいる」から。

そこまで大袈裟でなくても、論理的に現状を把握しようとする時に、感情的に反発してくる人というのはたくさんいるだろうし、ぼくもそういう人たちに「(あなたは非常に論理的だけれど)わたしは心を大切にした・・・!」とか言われたことがあるので。

心や情熱を大切にすることと、論理的・客観的に現状を把握しようとすることは両立するし、むしろ相乗効果的であるとも思うのです。

【前半読了して】正しさとは何だろう?

「レベル1、レベル2の地域において、病院の設備を充実させるよりも地域の衛生管理の知識や母親の識字率を上げることの方が救える命が多い」という話が『過大視本能』の章に出てきました。

病院で見てあげられる子供の数も、病院まで来られる子供の数も限られているが、レベル1-2の貧困地域においては、地域全体の衛生に関する意識向上、とくに母親の知識を増やすことで多くの命が救われるということでした。

著者が目の前の命一つひとつをスピーディーに助けつつ、地域全体のことを考えていた時に、別の医師が著者のやり方を「不真面目だ!もっと目の前の命一つひとつと真剣に向き合うべきだ!」と非難します。

目の前で苦しむ子供を簡易措置で済ませて外へ向かう医師。これって見た感じいい加減っぽいし、非難したもう一人の意思の方が情熱的で「良い医師」って感じがしますよね。

でも、その時の状況において「病院で亡くなる子供」と「病院外で亡くなる子供」の割合は1.3:98.7。「だいたい全部病院の外で亡くなっている」状況でした。そして、その状況を変えることで多くの子供の命を救うことができるわけです。

確かに、この話をみると「数字で客観的事実を見る」ことの大切さがよくわかりますね。

とくに、具体的に世の中をより良くしよう、とするときには感情論ではなくファクトフルネスが重要だと感じました。

では、ぼくのような一般人がファクトフルネスから学べることはなんだろう?

戦争や飢餓で亡くなる方が減っている事実。レベル1-2がどんんどんレベル3-4に近づき貧困が減ってきている事実。

どれも素晴らしいこどだとは思うけど、ぼくがそれを知って「じゃあ世の中は良くなってきているんだ!心配しなくて良いんだ!」と思うことと「まだまだだな。奢り昂らず、レベル4の恩恵に感謝しつつ、たまにでも募金とかしたほうが良いよな」と思うのと、どっちが良いのか。

いや、こんなしょぼい感想がハナから良くないのかもしれませんが・・・。

ただ、「よりネガティブに現実を捉えることで心が狭くなってしまう・余裕がなくなってしまう」こともわかる一方で、「ネガティブに捉えるからこそより良く有ろう」とする力もあるのではないかな、と思いました。

まだ10章のうち半分しか読んでいないので、全て読み終わった時、自分なりにどんな気づきがあるのか、楽しみにしつつ、引き続き読み進めていきたいと思います。

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